個人で制作するときのゲーム企画書

こんにちは創作ウサギブラザーズです。
今回は「個人で制作するときのゲーム企画書」というテーマでお話していきます。
これまで個人でゲーム制作をしてきた経験から、ゲーム企画書を作るときに確認するべきことをみなさんにお伝えしたいと思います。
ポイントを一つに絞ってお伝えするので、企画書の作り方を網羅した記事ではないということにご注意ください。

この記事の動画版もあるので、もし良かったらこちらもどうぞ!▼

【完成させる】個人で制作するときのゲーム企画書【ゆっくり解説】


さて、みなさんこの動画をご覧いただいているということは、企画書を書こうとしている、もしくはゲーム制作を始めようとしているということですね。
そしてさらにチームではなく個人で制作しようと考えているということですね。
最初にお伝えしますが、個人でのゲーム制作の挫折率はとてつもなく高いです。


今は作りたいゲームの構想があって、やる気もみなぎっているのに、それを形にすることができないことが多いということです。
今回はどうしてそんな事態になってしまうのか、その根底にある理由をお話しすると同時に、どんな企画書であればゲームの完成に近づけるのか、私が実践している今すぐできる方法を紹介します。

ちなみに以前に「個人でゲーム制作する最初のステップ」というテーマでお話した記事があります。この記事と合わせて見ていただければ、よりゲームの完成に近づくのでぜひご覧ください。

・ゲーム企画書の書き方

さて、まずゲーム企画書について、前提となるその書き方について簡単に説明します。
企画書という名前のものは数あれど、ゲーム企画書はその中でも書き方にルールがないという特徴があります。


もちろんある程度盛り込むべき必要な内容というものはあります。
ゲーム会社などでは統一したフォーマットで企画書を作成しているところもあるでしょう。
しかし、ゲーム企画書にはやはり書き方にルールはないと言えましょう。
さらにゲーム企画書には、就職活動で会社に提出するための企画書、会社や同人などチームでゲームを制作する際にプランを共有するための企画書、という目的のものもありますが、今回は個人で制作するにあたって、アイディアを煮詰めて構想を形にするため企画書を作ることになります。
ネットなどでゲーム企画書の書き方を調べて参考にするときも、何のための企画書なのかは意識して参考にしましょう。


では、企画書を書くにあたって絶対に必要になってくる7つの項目についてお話します。
まずは題名です。仮であってもそのゲームを表せるタイトルを考えましょう。ここは本当に自由です。


次にジャンルです。RPGなのかアクションなのか、シミュレーションなのか、思い描いているイメージに近いジャンルを考えましょう。


次にプラットフォームです。個人で制作する場合はゲーム機ということは少ないと思いますので、PCかスマホなのか、ブラウザかアプリなのかを想定しましょう。


次にターゲットです。どういった年齢、性別、志向の人に遊んでもらうのか、例えば20代の男性、コレクション要素が好き、といったように想定しましょう。


次にコンセプトです。ここまでの題名、ジャンル、プラットフォーム、ターゲットを前提にして、そのゲームの中で最も重要な価値観を考えましょう。とにかくこのコンセプトを考えるというのがゲーム企画書で一番重要な部分です。これから考える企画書の詳細部分も、コンセプトと合致しているかを基準に実装する内容も決まってきます。
どいういうものがコンセプトかと言えば、例えばポケモン赤緑は「目に見える情報と価値の交換」、だそうです。深いですね。


最後にセールスポイントです。コンセプトをユーザーに届けるための、このゲームならではの面白さを考えましょう。「~なゲームシステム」であったり、「~なストーリー」、「~な遊び方」、といろいろあります。


ここまでがどんなゲームであっても共通で最初に企画書に書くべき内容です。
ここからジャンルによって、世界観やキャラクター、アイテム、クエストの進め方、ゲームの流れ、画面のイメージ、操作方法の詳細の企画を書いていきます。このあたりは調べるとサンプルがたくさん出てきますし、具体的なイメージがなければ、既存のゲームでこれから制作するゲームに合った、使える部分を参考にしてみるのもいいでしょう。
ここから企画書の詳細を書いていくときに、どうしても意識しなければならないことがあります。
これを意識しないでゲーム企画書を作ってしまった場合、ゲームが完成しない可能性が高くなってしまいます。
その意識することをこれからお話します。

・ゲーム企画書で意識すること

では、ゲーム企画書で意識することをお伝えします。

それは、ゲームの完成形の規模感は、自分が作れる範囲に収めることです。

いやいや、作れる範囲に収めるって当たり前のことだろ。夢見がちな少年じゃないんだから実現不可能な企画書なんて書かないぞ。と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その作れる範囲というのは、どの程度の規模感なのかイメージできているでしょうか。


今ゲーム企画書に書こうとしているゲームのイメージは、市販されているような、壮大な物語のRPGでしょうか、何十時間も遊べるアドベンチャーでしょうか。


そういったゲームは、ゲーム会社で少なくとも30人程度のスタッフが、短くとも2年間協力して制作しています。
個人で制作するときはもちろん一人です。そして制作期間はやる気の持続状況にもよりますが、最初の一本目であれば一か月程度を目安にすると、人数は30分の1、期間は24分の1になります。


1日あたりの制作時間も変わってくるでしょう。ゲーム会社で仕事としてフルタイム8時間制作するのと、個人で趣味として空き時間の2時間制作するのとでは、1日あたりの制作時間は4分の1になります。
ゲームを制作するスピードも変わってくるでしょう。ゲーム会社のスタッフが制作するのと、初めて個人でゲーム制作をするのとでは、3倍程度時間がかかるとしたら、制作スピードも3分の1になります。


これを全て反映させると、30×24×4×3=8640、今あるイメージの8640分の1の規模感のゲームに収めるということです。

この数字はイメージしていただくためで、あくまで例えばのお話です。
なんとなく個人でゲーム制作するときの規模感のイメージはできたのではないでしょうか。
それでは、規模感を抑えたゲーム企画書にするための方法をこれからご紹介します。

・規模感を抑えたゲーム企画書にするための方法


規模感を抑えたゲーム企画書にするための方法、

それは優先順位の低い要素を実装しないで、必要最小限の形にすることです。


基本的には今ある構想のイメージに沿ってゲーム企画書を作ります。
そこから優先順位の低い要素を縮小、減少、分割していって、ゲームのコンセプトから考えて必要最小限の形を残すように作っていきましょう。
これによって、限りある人手と時間でも制作できる範囲にすることで、作業にかかる労力を分散させず、重要なポイントに集中して制作できるようにして、さらに完成前に挫折する可能性を少なくします。


例えば、壮大なシナリオのRPGでは、シナリオは全編通しで必要だとしても、戦闘や育成のシステム、マップは出来る限り簡略化、もしくは実装しないことによって、縮小することが考えられます。
まずはシナリオを完結させることを重視して、システム面を簡略化してシナリオを作りこむことに集中します。
最近のスマホRPGでは、マップもなし、育成もなし、戦闘は攻撃を押すだけというのもありますが、それでもシナリオの面白さは伝わります。
一本目のゲームが無事作れたら、世界観やキャラクターを活用して続きという形でシステム面に追加要素を加えて制作していき、最終的には思い描いたゲームを完成させましょう。


例えば、ゲームシステムに力を入れた格闘ゲームでは、ストーリーはできるだけ無くしてしまうことや、使用できるキャラクターやステージもできるだけ減少させることが考えられます。
今や何十人もキャラの出ている大人気格闘ゲームも、最初の作品は8人しかキャラがいなかったものです。
一本目のゲームが無事作れたら、一本目のゲームにキャラやステージ、追加のシステム、ストーリーなどを加えて制作していき、最終的には思い描いたゲームを完成させましょう。


例えば、キャラクターを重視したアドベンチャーゲームでは、システムや登場人物を縮小することはできなくても、一つ一つのシナリオは個別に完結させられることに目を付けて分割することが考えられます。
全体で10時間程度のプレイ時間になるストーリーを10分割して最初の一本は1時間程度の短編にします。
一本目のゲームが無事作れたら続きという形で制作していき、最終的には思い描いたゲームを完成させましょう。

・コンセプトの扱い方


さて、ゲーム企画書を作成するうえで、個人で制作しきれる範囲で必要最小限の形にすることをお話してきました。
実装する優先順位を意識しながら、これからゲーム企画書の作成を進めていってください。
そして、ぜひともゲームが無事完成できるような企画にしてください。
ここでは必要最小限にするにあたって、気を付けていただきたいことをお伝えしていきます。

それは、最初に決めたコンセプトに関わる要素は意識して残しておくべき、ということです。


コンセプトはそのゲームの一番重要な要素です。
ここまで優先順位の低いものは縮小、減少、分割しましょうと言ってきたところですが、コンセプトを実現させるために必要な内容はできるだけ残すように選択しましょう。


例えば、神秘の洞窟をドキドキ冒険する、というコンセプトなのに、どの要素を削るか考えたときに、謎解き要素を削除してマップを一本道に縮小してしまう、ということです。
この例もかならずしも削除したらコンセプトが実現しなくなるかはわかりませんが、重要な部分はよく意識して選択しましょう。
もちろんあまりにも実装するのが大変な要素であれば、実装することをあきらめることも大事です。
コンセプトにこだわりすぎるあまりに、ゲーム制作が大変になってしまって、結果として完成しない、ということは避けるべきです。
まずは一本ゲームを完成させるためのゲーム企画書となるように作成してみてください。

・要点・復習


では最後に復習です。今回は「個人で制作するときのゲーム企画書」というテーマでお話してきました。

個人で制作する以上、人手と時間が限られています。ゲーム企画書を作成するときは、規模感を抑えた内容にする必要があります。
ゲームのコンセプトを実現できる必要最小限の形にしていくことが重要です。

ここまでお疲れ様でした。
ご読了ありがとうございました。

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